訳書第1部では、バイオリンについての一般理論と、クレモナ・ニスの秘密についてという内容でしたが、第2部では理論を基に内容を膨らませて、実際に1 本の木からバイオリンを作っていきます。専門家の方々には、日本でまだ知られていない新しい発見がいくつかあるとおもいます。また、アマチュアの方や、バイオリンに興味を持つさまざまな分野の方々にも楽しく読んでいただければ幸いです。 こういった海外に広く読まれている本に触れることで、多くの方々がバイオリンの分野での視野を広めて下さることを切に願っております。
【目次】
はじめに
第1章 道具
- バイオリンの各部構造と名称
- バイオリンとは―各部の寸法
第2章 外型(外わく)
- 一般的な道具
- 特殊な道具
第3章 横板、ブロック、ライニング
- 形の決定と外型の作り方
- 薄板で作る輪郭モデル・隆起見本・あて木
第4章 表板と裏板の表側
- 木材の選択
- 横板の曲げと組み立て
- ブロックの取りつけ
- ライニングの曲げと取りつけ
- 仕上げ
第5章 裏側
- はぎ~平面の仕上げ
- 製図~切り抜き~隆起の粗削り~輪郭の修正
- アーチつくり~カンナでの粗仕上げ~縁つくり
- 仕上げカンナ~スクラッパー仕上げ~裏側をえぐる準備
第6章 表板
- 裏側をえぐる
- カンナかけ~スクラッパーかけ
- 縁つくり~横わく取りつけ~ブロックの成形
- 横わく付け~総仕上げ
第7章 パフリングと本体の仕上げ
- f孔描き
- 表板の裏側をえぐる~f孔切り
- バスバー作り~取付け~表板取りつけ~仕上げ
第8章 ネックと渦巻
- パフリングの印つけ
- 木くぎ
- パフリング入れ
- 緒止め付け~仕上げ
第9章 内型で作るガルネリ・モデル
- 木材~下準備~製図
- 切り出し~ネックとスクロールの製図と成形
- 頭の仕上げ~糸巻箱~本体への取りつけ
- 指板仮つけ~仕上げ
第10章 ニスと部品つけ
- 内型(内枠)と製図について
- ブロックについて
- 横板の取りつけとその調整
- 裏板と表板
- ネックとスクロール
第11章 修理
- 着色~ニス~磨き
- 部品つけ
- ナット・指板仕上げ
- 糸巻
- テールピン付け
- テールピースの取りつけ
- サウンド・ポスト(魂柱)
- 駒合わせ
終わりに
- 修理とは
- 表板取りはずし
- 表板と裏板のワレ
- f孔にかかるワレ
- コーナーのワレ
- 接ぎ部分でのワレ・ハガレ
- 縁ワレとカケ
- 魂柱にかかるワレ
- 表板のハガレ
- ブロックのひび
- 接ぎネック
- 本体への仕込み
- ニスの修理