日進月歩の発明や寸刻の変化を追いかける多くの近代産業の中にあって、あたかも悠久の流れの中に身を任せているようなバイオリンの世界は、現代人に最もふさわしく、必要なオアシスのひとつでしょう。 1本の素晴らしく作り上げられたバイオリンがゆっくりと100年、300年の年月を生きるように、私達も日常の速いテンポからひととき歩を休め、ゆったりとした時の流れを感じてみるなら、いつもは見えない何かがきっと見つかるでしょう。
【目次】
はじめに第1章 バイオリンの祖先
第2章 ウェールズのクルース
- 研究方法の難しさ―破壊
- 記述表示の誤り―聖書の中のビオール
- 古代ギリシャおよびローマ時代の弦楽器
- ラバナストロン―オマーティ
- ケマンゲ・ア・グウ―レバブ・エシュ・シャー
- ゴウドク―レバブ―ノレフ
- アッシリアの三弦琴―洋梨型ビオール
- レベックとビオール―ジーグとキット
- ビオール製作者達とその楽器
- フランス人の発明―ビオラ・ダ・ガンバ
- プレイフォード―バリトン―プレトリウス
- チェスト・オブ・ビオールズ
第3章 伝記
- 古代ヘブライ人の竪琴
- 現代アフリカの竪琴
- ギリシャとローマの竪琴
- ロッタ
- クルース・トリザント
- クロッタまたは正当クルース
- グリュフィド・アプ・ハウェル
- デインズ・バリントン
- ウイン・フィンチ
- バイオリンとクルーズの譜系
第4章 弓
- 初期のメーカー達
- ガスパラ・ダ・サロ―ジョバンニ・パオロ・マジーニ
- アンドレア・アマティ―アントニオ・アンド・ヒロニモス・アマティ
- ニコラ・アマティ―アンドレア・ガルネリ
- ヤコブ・シュタイナー―フランチェスコ・ルジェリ
- アントニオ・ストラディバリ
- ヨゼフ・ガルネリ―ピエトロ・ガルネリ
- ロレンツォ・ガダニーニ―ジャン・バティスタ・ガダニーニ
- ドメニコ・モンタニアーナ
- サント・セラフィン―カルロ・ベルゴンツィ
- フランチェスコ・アンド・オモボノストラディバリ
- ヨゼフ・アントニオ・ガルネリ(デル・ジェス)
- ビンツェンツォ・パノルモ―カルロ・フェルディナンド・ランドルフィ
- ロレンツォ・ストリオーニ―ニコラ・リュポ
- ジャン・バティスタ・ビヨーム―バラク・ノーマン
- ベンジャミン・バンクス―トーマス・ドット
- ウィリアムズ・フォスタ―リチャード・デューク
- ピーター・ワムスリ―ジョン・ロット
- ウイリアム・エブスワース・ヒル―ジョージ・シャノー
- ヤコブス(アムステルダム)―ミルクールのバイオリン商業
第5章 バイオリン、その気まぐれと、変種
- 弓の進歩の歴史―コレリの弓―クレメレール―トルテ
- 現代の弓―寸法―毛を張る、張り替える
- 松脂とその働き―折りたたみの弓―ビヨームの弓
- ウイザース―他の新案―偉大な弓メーカー達
- 現存のフォームの完璧さ
- 陶製、金属、皮製、混擬紙、風変わりなバイオリン
- トランペットバイオリン―梨型のバイオリン
- フルシュカンプのバイオリン―多弦バイオリン
- イソアール―デュポア―ビヨーム
- ヘンゼル―ホーキンス―シンクレア
- ビルデのくぎバイオリン
- つげのバイオリン―ハウエル―ジャック製
- ベル―ロバートソン―コリンズ
- ハウエル―モレンフェアー
- ギター型のバイオリン―ガルブセーラ―F.シャノー
- サバールの不等辺四辺形のバイオリン
- 特許バイオリン