製作精度に目を向ければ、25万円前後未満で販売されるヴァイオリンは中国生産がトップクラスです。その理由は人件費が安いというだけではなく、伝統的に木工技術に優れたお国柄だからなのです。そうなると重要なのは、優れた技術を活かし、何を魅力として具現化するかというポイントです。
このヴァイオリンに視点を戻すと、特筆すべき点は3点です。1点目は製作精度。スクロールやf孔、コーナーの仕上げにご注目下さい。一般に製作精度が良いとされる中国生産の中でも上位と言える出来です。技術の高さは当然、クリアかつ豊かな音質にも寄与します。2点目は材料の良さ。中国材でもかなり良質なものを選択して使用していることが窺えます。また、このモデルの裏板は1枚となります。3点目はドイツ伝統のアンティーク・フィニッシュです。ニスが磨り減った風合いをグラデーションで表現しているのはもちろん、無数の傷は、製作段階で意図的に付けられたものです。通常は、この価格帯でここまで手間を掛けられません。
このヴァイオリンは、以上3点の特長がかなりの高次元でバランスしており、価格設定にはかなりの割安感があります。特にドイツ製またはドイツ的雰囲気のある楽器がお好きな方にはおすすめの1挺です。
【商品仕様】 ■ニス:ブラウン系アンティークフィニッシュ ■パーツ材:エボニー(黒檀)※写真のパーツは旧仕様のローズウッド(紫檀)です。ご注意ください。