1940年イタリア・フィレンツェ(Firenze)生まれ。父ダリオ(Dario Vettori, 1903-1973)とジュゼッペ・オルナーティ(Giuseppe Ornati, 1887-1965)にヴァイオリン製作を学び、1959年に独立。シルヴィオ・ヴェツィオ・パオレッティ(Silvio Vezio Paoletti, 1883-1971)やカルロ・ビジャッキ(Carlo Bisiach, 1892-1968)とも交流を持ち、その知見をヴァイオリン製作に活かした。1956年にぺリ(Pegli)国際製作コンクールで第1位を受賞したのを皮切りに、バニャカヴァッロ(Bagnacavallo)やバヴェーノ (Baveno) を含む様々な国際製作コンクールで第1位を7回、第2位を3回獲得するなど、常に高い評価を受けた。現代を代表するマスター・メーカーの一人で、モダン・イタリアンのミラノ・スクールの流れを汲むフィレンツェ・スクールの伝承者の一人でもある。クレモナ新作とは一線を画す独特の魅力的な個性のある作風である。
現代を代表するヴァイオリン製作の大巨匠の一人、カルロ・ヴェットーリ。クレモナの大巨匠ジョ・バッタ・モラッシ(Gio Batta Morassi, 1934-2018)やフランチェスコ・ビソロッティ(Francesco Bissolotti, 1929-)に比肩するフィレンツェの第一人者がこのC・ヴェットーリです。この3人の大巨匠の製作スタイルのルーツは、モダン・イタリアンの最高の製作家の一人、レアンドロ・ビジャッキ(Leandro Bisiach, 1864-1945)に始まるモダン期のミラノ・スクールという共通点があります。